「京のコスモス」Cosmo of Kyoto

京都府総合見本市会議

制作年:1987年  環境彫刻
石彫噴水広場 ”京のコスモス”
京都府総合見本市会館
京都府 日本宝くじ協会


 中国モンゴル自治区黄砂の砂漠から京都に戻り、あまりの異なる風土。京都の霧霞む北山の緑重なる風景、たゆとう鴨川のながれに琵琶湖から毎朝通い来るゆりかもめ鳥たちにあらためて目にとまった。京都の総合見本市会館という人々が集う場に、この自然の美しさを表現し、こどもたちに伝えたい風景だ。

 この噴水広場をつくるために、わたしは模型を持って高松の和泉石材に通った。玄武岩とアフリカ産黒御影石を用い、山川を表現。あるときは玄武岩の周囲からジェットの霧が吹き上げると四つの玄武岩はかすみ、アフリカ産黒御影石に滝のように溢れ落ちる。霧が終わると玄武岩の磨かれた石面は光り照り、ステンレス造形が動きだす。

 ゆりかもめたちが水浴びしている様子のように、水口から水が玄武岩周囲に大きく円弧を描く。しし落とし風ステンレス造形は水の重みでしし落としのようになるが、水は上部のほうから飛び出す。それぞれ噴水装置はこの京都風土の物語にそって表現するように制御したものである。
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京の自然

錦織なす山々

時に霧織りなす

清流の流れ流れ行く

時の重み、

時の向こうに

羽やすめ、憩い、戯れる

ゆりかもめ鳥たちよ

さあ、われわれの水場だ

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