【地球惑星の臍(へそ)】
Title: The navel of the planet Earth
Year: 2012
Size: 78Hx 550Lx 380w cm
Materials: Mixed media: newspaper, earth Benigara pigment, hemp textile, charcoal, mica, cotton textile cushion
PRESS
銀座経済新聞:
八木さんは神戸市生まれ。1970年代にイサムノグチさんに師事し、伝統産業や左官業などの手業を生かしたパブリックアートを製作するように。1990年には公園や広場の総合的な「景観芸術」開拓のために土木造園建設業の資格を習得。縄を「汝我(なわ)」と意味づけて「あなたとわたし」と説く独自哲学「縄ロジィー」を提唱し、縄をテーマに作品制作、パブリックアート、パフォーマンス、社会芸術活動などに取り組む。東日本大震災を受け、「持続可能な地球環境の保全」を思って取り組んだ新作を中心に紹介する同展。京都宇治の山から「はぎとった」地層を天井から麻縄でつるした第1室、「母的宇宙のゆりかご」を表現した「地球惑星の臍」作品を置き、作品の中に実際に座って「感じる」ことを提案する第2室、縄ロジィーに基づいて生まれたアートプロダクトを並べる第3室で構成し、会場全体を「母的宇宙の新しい神話を(鑑賞者)一人一人が創造していく空間装置」と位置付ける。 合わせて施設路面のショーウインドースペースにも、縄をモチーフにした八木さんの作品を飾る。麻・樹脂・土・植物などを大胆に使って生み出される有機的な素材感も特徴で、「地球のことを考えるインスターレション。銀座の都会の中で、地球の生命力を感じてもらえれば」(ポーラ・オルビスホールディングス広報)
八木マリヨさんは縄の構造から生命を感じ学んでいる。「COSMIC MATERNAL- 新たなる神話へ」を追求してきた八木は、芸術そのものは特別のことでなく、日々の見近なことがらを感じとり大切にし、真摯に生きることを通して芸術表現を行っている。その芸術が地球や宇宙的生命環境を深く考える契機となることを切実に想っている。いま真剣に求められているものは、私たち地球世界にあって、母性原理に根ざし、宇宙論的に深く生きることである。そうした八木の根源的願いこそ、イメージの輝きをもつ新たな神話の創造に向かうだろう。 岡本太郎美術館名誉館長/美術評論家 村田慶之輔
2012年11月
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